コラム

点群(ポイントクラウド)とは|データの取得方法・変換処理・利用例を紹介

国土交通省の「i-Construction」施策推進などにより、3次元レーザースキャナーによる計測が普及してきました。この計測で取得されるのが点群と呼ばれるデータです。

点群データは非常に精度が高いことから、構造物の保守点検、老朽化診断など、社会インフラ分野を中心に活用が進んでいます。

今回は、点群データの取得方法や変換の流れ、利用例などについてご紹介します。

点群とは

点群とは点の集まりのことをいいます。点の群れなのでpoint crowdかと思いきや、point cloudなんですね。

点群(てんぐん)やポイントクラウド(英: point cloud)とはコンピュータで扱う点の集合のこと。多くの場合、空間は3次元であり、直交座標 (x, y, z) で表現されることが多い。

出典:Wikipedia

点群データが持つ情報

点群データは以下の情報から構成されます。

  • 3次元座標値(X,Y,Z)
  • 色の情報(R,G,B)

ファイル形式は.txt、.las、.xyzをはじめさまざまな形式があります。

点群データの取得方法

点群データの取得方法は主に以下のようなものがあります。

  • 地上設置型の3Dレーザースキャナー(測量機器)を使った3D計測
  • 無人航空機やドローンを使った航空レーザー測量
  • レーザースキャナーを搭載した車両を使った移動型3D計測(MMS:Mobile Mapping System

上記のほか、ハンディ型計測器や、水中設置・移動型による計測からデータ収集する場合もあります。

以下はMMS(移動型3D計測)により取得された点群の例です。シーン全体が無数の点から構成されています。

3次元計測のメリット

3次元レーザースキャナーによる測量には以下のようなメリットがあります。

  • 非接触による測定・形状データを記録できる
  • 高所や人の立入りが困難な危険な場所のデータを取得できる
  • デジタルデータとして保存し、用途に応じた加工ができる

概ね360°全方位を計測できますが、これはあくまでもレーザーが届く範囲のみのため、より正確なデータを取得するには位置を変えて複数回計測する必要があります。

点群データの変換の流れ

取得した点群データ(生データ)は3次元座標値と色の情報しか持っていないため、以下のような流れで変換、加工処理します。

1. 専用ソフトに点群データを取り込む
2. 前処理(位置合わせ、ノイズ除去など)
3. 解析(寸法計測、干渉チェックなど)
4. モデリング(配管や設備などの3Dモデル作成、メッシュデータ作成など)
5. 最終出力(利用デバイスや用途に応じたフォーマットのファイル作成)

最終ファイルをCADソフトやヘッドマウントディスプレイなどで読み込んで利用します。

利用例

点群データは以下をはじめさまざまな用途に利用されます。

  • 高速道路、橋梁、トンネルなどの劣化の点検
  • プラント設備などの配置・設計検討や保全
  • 災害による被害確認
  • 地図作成(GIS)
  • 重要文化財、公共施設のデジタルアーカイブ

最近ではVRコンテンツへ利用する取り組みも始まっています。
「3D計測の点群データとVRを活用した新たな文化財研究/展示手法」

GISにおける点群データの扱い

GISでは点群データは地形や構造物を表す際に利用されることが多く、その範囲や点数は膨大なものになります。GISで点群データをうまく活用するには、データの軽量化や加工、表現がポイントとなります。

GISソフト「SIS」バージョン9では点群データに対応していますので、点のサイズや形状、密度を変えることでさまざまな表現が可能です。

3次元点群データのオープンソース化

静岡県

富士山南東部・伊豆東部の3次元点群データがオープンデータとして公開されています。

3次元点群データを映像化した動画も公開されています。(Youtube「静岡どぼくらぶ」ちゃんねる「VIRTUAL SHIZUOKA - 3次元点群データでめぐる伊豆半島-」より)

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静岡の風景を「3次元点群データ」で映像化した動画がゲームみたいで不思議 「よくわからないけどすごい」「災害シミュレーションに生かせそう」

静岡県の点群データをUnityで表示してOculus Questで見る

宮崎県都城市

2019年夏から解体工事が行われていた「都城市民会館」(建築家・菊竹清訓氏設計)の3次元点群データがオープンデータとして公開されています。

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おわりに

今回は3次元計測によって収集される点群データについて紹介しました。点群データは構造物の保守点検をはじめ、プラント設備の配管図面作成、遠隔地からの計測における精度向上や業務効率化だけにとどまらず、自動運転やエンターテーメントなどの分野での活用も期待されています。

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